スポーツの秋。 なので、まゆの苦手な腹筋運動を無理やりやらせてみた。 まゆ「い〜ち…、に〜ぃ…、さ〜ん…。ふにゅう…」 輝 「オイ、まゆ。3の次は『ふにゅう…』じゃないぞ」 まゆ「も、もう…、ダメぇ〜…。ゆるしてぇ…」 そう言うとまゆは、ぐで〜っと仰向けに倒れた。 輝 「アホか! たった3回でヘバるヤツがあるか! せめてあと7回やれ! それでちょうど10回になる」 まゆ「えっ! あと7回もなんて…そんなの…できっこないよぉ!」 輝 「お前…情けないことを言うなよなぁ…。(汗) どうやったらこんな不甲斐無い腹筋に育つんだ…」 オレはあきれながらまゆの不甲斐無いお腹を、ポンポン叩きながらそう言うと、 まゆは恥かしそうにオレの手をどけて、両手でお腹を触らせまいと死守した。 まゆ「ふにゅ〜…。腹筋ぐらい…できるもん…」 まゆは不満があるのか、ほっぺをぷ〜っと膨らませながらそう言う。 輝 「ん? なんだ、できるのにやらなかったのか? じゃあ、続けよう」 まゆ「あっ、で、でも! でも…そのぉ…」 輝 「でもなんだ! 言ってみろ軍曹!」<違う オレはまゆの上官になった気持ちで質問してみた。 するとまゆは、頬を赤く染めて、モジモジしながら重い口を開いた。 まゆ「あ、あのね…。お、お兄ちゃんに…ふともも、見られるのが…。 その…は、恥かしくて…」 まゆは恥かしそうに体操服の上着をのばして、ブルマとふとももを隠そうとする。 つまりこうか? オレのイヤらしくてスケベな視線が邪魔で腹筋できない、ということか? 冗談ではない。 オレは妹のふとももを見て、欲情するような変態兄貴ではないのだ。 そんな誤解をされたら、今後何を言われ続けることか…。 オレはあわてて弁解した。 輝 「なっ…、なに言ってんだよ! オレ達は兄妹じゃないか! オレは決して…その…お前のふとももやブルマを、 やましい目でジロジロ見てないからな! 勘違いするなよ!?」 まゆ「うん…。わかってるよ。お兄ちゃんの所為じゃないよ…。 私がちょっと、自意識過剰なだけだよね…。えへへ…」 まゆはペロッっと小さく舌を出してから、笑った。 いつものまゆなら「ホントに〜?」とか言って、 オレをからかってくるハズなのに…。 いつもオレがまゆをからかっているから、 ここぞとばかりにその反撃をしてくると思ったのだが…。 ちょっと意外な反応で、オレは拍子抜けした。 まゆ「私ってお子様体型だもんね…。そんな子の脚見たって、しょうがないか…」 まゆは自分の無い胸や、あまりくびれていない腰周りを見ながら、 自嘲まじりに嘆いた。 なんかコイツ…、真剣に悩んでるみたいだぞ…。 こんな時、どんなツッコミをいれたらいいんだ? 今、オレの脳内にある選択肢の3番目にある 「ホントに色気のねぇ脚だな…。はぁ〜。(溜息)」 を選んだら、本気で泣かれてしまいそうだし…。 そうだなぁ…。 たまにはちょっと元気付けてやるか…。 輝 「……。ちょっとは…」 まゆ「え?」 輝 「そ、その…ちょっとは見てみたいかなって…。お前の…」 まゆ「お兄ちゃん…」 輝 「いや、ホントにちょっとだけだ! お前の脚はお前が思っているほど悪くないから、 ちょっとは見てもいいかなって…。ああ! 何言ってんだオレは! 違うぞ!? オレはロリとかペドとか変態とかそういうんじゃないからな!?」 まゆ「う、うん…。大丈夫、わかってるよ…。元気付けてくれたんでしょ? ありがと…。お兄ちゃん…」 輝 「……」 まゆは頬を赤く染め、上目使いで微笑んだ。 なんだ? なんだ、このテレくささは? 相手が妹だっていうのに、メチャクチャ恥かしいぞ…。 妹だから恥かしいのか? そうだ、コイツのこの眼差しは、妹が兄に向けるものではない…。 どちらかというと、 恋する少女が、憧れの先輩をみつめる眼差し、というか…。 とにかくそんな感じだ…。 イカン…。 その眼差しはオレに向けてはイカン…。 それだけは絶対に回避せねば…。 まゆ「ねぇ…、お兄ちゃん…」 輝 「な、なんだ?」 まゆ「見る? 私の…ふともも…」 !!! いきなり、何を言い出すんだコイツは! 自分で何を言ってるのか、わかってるのか!? まゆ「お兄ちゃんだから…兄妹だから…見られても…へーき…だよ…」 まゆはふとももを隠していた体操服の上着を、おヘソまでたくし上げて、 そのむっちりとしたふとももと、秘所とおしりを隠す紺色のブルマを、 オレの眼前にさらけ出した。 オレの胸はドキドキと、鼓動が早まる。 その早まった鼓動、心臓から吐き出される大量の血液は、順次、下半身へと流れ込み、 男のシンボルを膨張させた。 正直、興奮した。 妹相手に欲情しようとしている。 オレは狂ってしまったのかもしれない。 オレの理性が正常なうちに、何か手を打たねば…。 そうだ、話の流れを変えてしまおう…。 輝 「あー、そのー、なんだ…。もうそろそろ終わりにして帰るか?」 これ以上、まゆに会話のイニシアティブを持たせてはいけない。 多少、強引ではあるが、『お兄ちゃん特権』を施行し、 模範になる正しい兄妹関係を示してやらねばなるまい。 まゆ「えっ! ダメだよ! まだ始めたばかりなんだから!」 輝 「え、いや、だって…」 まゆ「ダメったらダメのダメダメなのっ! ほらっ、ちゃんと脚を持ってよ、お兄ちゃん! 今から腹筋100回、10セットで世界を目指すよっ!」 輝 「え…。せ、世界?(汗)」 まゆ「わかったら返事は!?」 輝 「い、イエッサーッ!!」 まゆはオレの言うことに耳を貸さず、 顔を真っ赤にして、腹筋運動を続けようとする。 なんかワケがわからんことになったが、 禁忌を犯すことにならなくて、とりあえずよかった…。 でも、いつ同じようなことが起きてもおかしくないな…。 これからは発言に気をつけねば…。 END と、いうようなストーリーを思い付いてしまったので、 勢いで書いてしまいました。_| ̄|○ |
イラスト:弐肆 文章:ATF (2003/11/7) |