765プロのバレンタイン 第九話
● 雪歩の場合 ●
「ぷ、プロデューサー! あ、あの…お渡ししたい物があります…」
「おお、雪歩!」
雪歩は男性が苦手なハズなのに…。
きっと勇気を振り絞って来てくれたんだろうな。
くぅ〜、俺はメチャクチャ嬉しいぞ雪歩!
「手作りは初めてで…あんまり自信がなくて、私と同じでダメダメなチョコかもしれませんけど…。プロデューサーのことを想いながら作りました! 食べてください!」
雪歩は頬を赤らめて、お辞儀をしながら両手でそのチョコを差し出す。
「ありがとう。嬉しいよ、雪歩」
俺は雪歩から包みを受け取ると、そこで開封し、チョコを取り出す。
すると、そのチョコは「緑色」をしていた。
「私、お茶が好きだから、お抹茶が入っているチョコを作ってきたんですぅ…」
そういえばそうだったな。
抹茶チョコならよく売っているし、味も普通に美味いハズ。
俺は安心してそのチョコをほおばった。
「ん? なんだろう、この味…」
お茶の味は確かにするのだが、チョコの味が全くしない…。
というか、明らかに変なハッパの味で気分が悪い…。
それに…なんか…アルェ? おかしいぞ…。
雪歩が二人に…見える…いつからゆきぽも双子に!?
そこに雪歩の家の黒服姿の『お弟子さん』が登場!
そして雪歩にそっと耳打ちし…。
「え!? あれはチョコはチョコでも、いけない薬の方のチョコ(大麻)!?」
俺はそれを聞いて「ぶふーーっ!!」とチョコ(大麻)を噴出した。
通りで変な幻覚が見えるハズだ!
っていうか、雪歩の家って、やっぱり…。
ガクガクブルブル…。
「ぷ、プロデューサー! ごめんなさい! 私、おっちょこちょいで、ひんそーで…。穴掘って埋まってますぅーーっ!!」
「ま、待って…穴掘って埋まる前に…俺を病院へ…」
雪歩はどこから取り出したのか、
スコップで事務所の床を掘り抜き、埋まって行ってしまった…。
THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩
第十話へ
小説トップへ
戻る